伊勢地区医師会における救急医療の現状
平成17年11月1日伊勢地域の市町村合併に伴い、伊勢市医師会は度会郡医師会と合併し、伊勢地区医師会として新たにスタートしました。
その区域は、伊勢市・玉城町・度会町・大紀町・南伊勢町となり、この区域に所在する医療機関が地域住民の皆様の命と健康を守るためその役割を果たしています。
特に急病や災害発生時の救急医療・災害医療体制につきましては、急病人や被災者の命を守ることを第1の使命とし関係機関と連携を密にし、その対策を講じています。
休日・夜間における救急医療体制は、比較的軽症な方を対象とした一次救急と緊急な治療や入院の必要な重症患者を対象とした二次救急にその役割を分担して対応しています。
しかしながら救急医療の現場で、最近一次救急医療機関(かかりつけ医や休日・夜間応急診療所)で対応できる軽症患者が、時間外や休日・夜間に二次救急医療機関(伊勢赤十字病院・市立伊勢総合病院)を訪れ、受診する事例が増えてきました。
このため、本来の対象者である重症患者さんが診察を受けるまでの時間が長くなり、また当直医師の負担も大きくなるなど二次救急医療に影響が出ています。
風邪などの比較的軽症の場合は、まず「かかりつけ医」や「休日・夜間応急診療所」を受診してください。
皆様のご理解とご協力をお願いいたします。
休日や夜間に急病になったら
かかりつけ医と連絡が取れない場合は、伊勢市休日・夜間応急診療所や医療ネットみえ(救急医療情報ネット)をご利用下さい。
伊勢市休日・夜間応急診療所
救急車を呼ぶほどではない比較的軽症な患者さんの応急的な治療や処置を行う一次救急医療機関です。
伊勢市HP:休日・夜間応急診療所
住所 | 伊勢市八日市場町 13-1 |
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電話番号 | 0596-25-8795 |
診療科目 | 内科・小児科 |
診療時間 |
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医療ネットみえ(救急医療情報ネット)
医療ネットみえでは、休日や夜間に病気やけがをした時、受診可能な医療機関の情報を次の方法で探すことができます。
1.ネット検索
救急医療情報ネット
医療ネットみえHP
2.電話相談
救急医療情報センター(コールセンター)
059-229-1199
24時間365日ご案内
小児の救急医療体制
伊勢地区医師会では、小児の休日や夜間における診療について、次のよう救急医療体制をとっております。
かかりつけ医と連絡が取れない場合は、伊勢市休日・夜間応急診療所へお願いします。
急な子どもの病気・薬・事故に関する相談は、みえ子ども医療ダイヤルをご利用下さい。
みえ子ども医療ダイヤル
日時 | 午後7:30~翌朝8:00 |
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電話番号 | #8000 059-232-9955 |
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一次救急医療機関
伊勢市
休日・夜間応急診療所 - 緊急な治療や入院を必要とする重篤な場合
紹介状を出します -
二次救急医療機関
伊勢赤十字病院
かかりつけ医を持ちましょう
病気を予防し、早期発見、早期治療につなげるために自宅や職場の近くにある診療所(お医者さん)と上手に付き合いましょう。
家族で定期的に健康診断を受け、健康相談することであなたの健康アドバイザーとなってくれます。
日頃からかかりつけの医師を決め、色々なことを相談できるようにしておきましょう。
かかりつけ医を持つと安心
- 入院や検査が必要な場合には、適切な病院・診療所を紹介してくれます。
- 食事面など、日常の健康管理のアドバイスをしてくれます。
- 家族の病歴、健康状態を把握しているので、色々な指導が受けられます。
- ふだんの状態を知っているため、緊急のときに適切で素早い対応ができます。
- 「はしご受診」がなくなり、薬の重複による危険や医療費のムダがなくなります。
- 居宅介護支援の事業所に対し、ケアマネージャー、看護師、訪問介護員の派遣要請をしてくれます。
- 介護の申請時に主治医意見書を書いていただけます。
かかりつけ医をたずねるとき
- 診察や検査を受けやすい服を着ていきましょう。
- お年寄りの通院には付き添って、一緒に説明を受けるようにしましょう。
- 緊急時以外には診察時間外受診を避けましょう。
- 「かかりつけ医薬局」もあなたの薬の管理や飲み方などアドバイスしてくれます。
- どこか1ヶ所に決めて、末永く付き合うようにしましょう。
診療時間内に受診しましょう
気になる症状がある場合は、かかりつけ医の診療時間内に早めに受診しましょう
特に子どもの症状は、急変することがあるので注意が必要です。
また、「平日は休めない」、「夜でもやっているから」などの理由で安易に休日・夜間応急診療所を受診することはやめましょう。
救急車を正しく使いましょう
救急車を正しく使いましょう
救急車のタクシー代わりの利用は避けましょう
全国的に救急車の出動件数は年々増加しています。伊勢地域においても例外ではありません。
今後、本格的な高齢化社会を迎えるとともに救急車の出動件数もますます増えていくことが予想されます。
軽症者の方の救急車の利用は、本来の重症患者への迅速な対応ができなくなり、救急医療体制の崩壊につながります。安易に救急車の利用をしないよう皆様のご理解をお願いします。
救急車の正しい利用についてはこちらをご覧ください。
~救急車 必要なのはどんなとき~(消防庁)
「救急通報のポイント」「ためらわず救急車を呼んでほしい症状」「救急車の呼び方」などが載っております。
心肺蘇生法とAED
心肺蘇生法とAED
救急車が来るまでに私たちにもできることがあります
- 突然目の前で人が倒れたら・・・
- 身近な人が倒れて呼吸をしていなかったら・・・
私たちは、いつこのような場面に遭遇するかわかりません。特に呼びかけに応じない、正常な呼吸がない場合は心停止の可能性があり、ただちに心肺蘇生を行う必要があります。
救急車が到着するまでの間、その場に居合わせた人たちですぐに心肺蘇生やAEDを行えば救命率が高まります。
お住まいの地域の消防署では、心肺蘇生法を中心とした救命講習を開催しております。いざというときのために心肺蘇生法やAEDについて、知識や技術を身につけておきましょう。
また、日頃からお近くのAED設置場所を確認しておくことも重要です。
心肺蘇生法等の手順についてはこちらをご覧ください。
救急蘇生法(日本医師会)
伊勢地区医師会における災害医療の現状
私たちは、巨大地震や、スーパー台風の襲来、異常気象が引き起こす自然災害などに、いつ・どこで巻き込まれるかわかりません。大規模な範囲で多数の負傷者が発生する恐れがあります。
そのような事態に備え、伊勢地区医師会は災害時の医療救護活動を円滑に行うため、平成25年7月18日に伊勢市・玉城町・度会町・大紀町・南伊勢町と「災害時における医療救護活動に関する協定書」を締結しました。
この協定書は、災害現場等で医療救護班が行う業務の基本的事項を定めたものですが、医師会はこの協定書に基づき、医師の具体的な救護活動を示した「医療救護活動マニュアル」を作成し、その周知徹底を図っています。
マニュアルは、市町が設置した救護所への出動、救護所での処置、トリアージ、病院等への移送、情報伝達の方法等を主な内容としています。
また、救護所への出動の際に必要とされる装備品についても計画的に充実を図っております。
当地域は、過去に伊勢湾台風による直接の被災を経験しています。最近では、阪神淡路大震災、東日本大震災を貴重な教訓とさせていただきました。
伊勢地区医師会は、地域の行政機関、その他関係機関と協力して多くの負傷者の救護活動を行う体制の充実に努めてまいります。
救急・災害を考える集いについて
過去を教訓に、手を取り合って
昭和57年厚生省(現厚生労働省)は、毎年9月9日を「救急の日」とし、この日を含む1週間を「救急医療週間」と定めました。
当地域では、昭和59年に第1回救急を考える集いが、伊勢市消防本部や伊勢市、伊勢市医師会(当時)等が中心となって開催され、広く市民に対し、救急に関する各種の啓発事業を行ってまいりました。
また、平成23年3月11日の東日本大震災を「目の当たり」にして、関係者の協議により、平成23年度からは「救急」の次に「災害」の言葉を付け加えて、「救急・災害を考える集い」として開催しております。
現在は、伊勢市・玉城町・度会町・大紀町・南伊勢町・伊勢保健所・伊勢市消防本部・伊勢地区医師会が共同デスクを構成し、また伊勢地区歯科医師会、伊勢薬剤師会・三重県看護協会・伊勢市社会福祉協議会・伊勢市民健康会議・いせトピアの協力を得て毎年8月末から9月初めの日曜日に開催しています。
「テーマ」は、救急と災害に因んだその時々の話題を共同デスクで協議し、市民の皆様に披露しています。また開催時には、救急・防災に関するパネル展示や、医師による血圧測定や健康相談を実施しています。その他「まさかの時」に役立つAEDを含めた心肺蘇生法の体験実習を行い好評を得ています。
この催しを通じて、皆様の救急と災害に対する理解を深め、認識を新たにしていただければと考えています。
是非「救急・災害を考える集い」に皆様ご参加いただきますようお願い申し上げます。(毎年8月の末から9月の初めにかけての日曜日です。)